電話すると、母の声はかなり落ち込んでいた。
春と秋に情緒不安定な時期があるが、今年はこれか・・・
「ここに居ても毎日が針のムシロだから、出たい」などと言う。
（ついこないだまでは、いい人ばかり！だったのだが・・・）
更に、
「ここに来て、1年以上経つのに親戚の＊＊さんは来ない！来たら怒りつける！」など不満を言う。
ハッキリ言ってメンドクサイ。
思うに、1つのことにトコトン執着する感じになる。
たぶん、今回の場合、「ここから出て、家に戻りたい」の1点だ。ヒマなので一日中思い詰める。
その結果、これを実現するため、色々な理由を繰り出すことになる。
何かがメッチャ欲しい子供の行動と同じような感じ。
理解しにくいが、「来たら怒りつけてやる！」も実現の為の理由の１つだろう。
その合間に、「あんたや次男にはお金も出してもらって感謝している」など挟んで来る。
出たい理由には、
●他人に干渉されず一人で暮らしたい
と、
●自分は息子に何もできなかったのに、今、自分の為にカネを使わせている
という自責の念があるようだ。
それはありがたいのだが、その方向性がマズイ。
しかも、近所付き合いが悪かった母は、近所でも疎まれていた。老人ホームに入り、ご近所の皆さんもホッとしたに違いない。なにせ、気分の乱高下が激し過ぎるんだから、付き合いたくないわな。
（怒鳴りこんだりするし・・・）
それでも近所のよしみで、色々面倒見てもらった。
電話の向こうでグダグダ言っているのを聞いていて、上記のことを思いながら、自分もイライラしてきたので、
「じゃあ、出て戻るか？」と聞くと「出る！」と即答。
「出てもそんな頻繁に見に行くことは出来んよ。覚悟しといてや。」
と言い、なんやかんや言っていたが、
「ま、考えといて～」と言ったまま電話を切った。
さて、どうなるか！？
なにせ実家は、半径100mに3軒位しかなく、コンビニなんてどこにあるかわからん位遠い。
ホントに帰るとなると、とんだ近所迷惑だ・・・